大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

金沢地方裁判所 昭和62年(わ)24号 判決

主文

被告人を懲役一年及び罰金二、〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間、右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、金沢市窪七丁目二七六番地においてゲームセンター「オートスナックUSA」、同市森戸二丁目二一六番地においてゲームセンター「オートスナックギャロップ」、同県石川郡野々市町字蓮花寺町八一番地一においてゲームセンター「オートスナックカスタム」等を経営していたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、右三店のゲームセンターの売上げの一部を除外し、これを仮名の定期預金や積立預金とするなどの不正な方法により自己の所得を秘匿した上

第一  昭和五七年分の実際の総所得金額が、事業所得七、二四七万八、〇八三円から総合譲渡損失七三八万一、七五九円を差引いた六、五〇九万六、三二四円であって、これに対する所得税額が三、三八七万四、七〇〇円であるにもかかわらず、同五八年三月一五日の確定申告期限までに、金沢市彦三町一丁目一五番五号所在の所轄の金沢税務署において、同税務署長に対し、養父北村善男名義で所得税額が四八三万三、五〇〇円である旨申告した以外には所得税確定申告書を提出せず、もって、不正の行為により、同五七年分の所得税額三、三八七万四、七〇〇円から右養父名義の申告所得税額を差引いた二、九〇四万一、二〇〇円の所得税を免れ

第二  昭和五八年分の実際の総所得金額が、事業所得五、三五六万八、六九九円、不動産所得五一七万六、四八〇円の合計五、八七四万五、一七九円で、これに対する所得税額が二、九五三万七、〇〇〇円であるにもかかわらず、同五九年三月一二日、前記金沢税務署において、同税務署長に対し、前記養父名義で所得税額が六六九万八、五〇〇円である旨申告し、かつ、自己名義で総所得金額は五二五万円でこれに対する所得税額は零である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同五八年分の所得税額二、九五三万七、〇〇〇円から右養父名義の申告所得税額を差引いた二、二八三万八、五〇〇円の所得税を免れ

第三  同五九年分の実際の総所得金額が、事業所得七、五八二万四、八二三円、不動産所得三〇四万〇、〇二一円、利子所得四四万一、〇八三円、雑所得六一万六、四五一円の合計七、九九二万二、三七八円で、これに対する所得税額が四、二三三万八、一〇〇円であるにもかかわらず、同六〇年二月二五日、前記金沢税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は二、五八四万五、四八五円で、これに対する所得税額は九六八万一、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同五九年分の正規の所得税額と右申告所得税額との差額三、二六五万七、〇〇〇円の所得税を免れ

たものである。

(確定裁判)

被告人は、昭和六一年一二月二三日金沢簡易裁判所で常習賭博罪により懲役一年六月(三年間執行猶予)に処せられ、右裁判は昭和六二年三月六日確定したものであって、この事実は前科調書によって認める。

(法令の適用)

罰条 判示各所為につき所得税法二三八条一項

刑種の選択 各罪につき懲役刑と罰金刑を併科、罰金刑につき所得税法二三八条二項

併合罪加重 刑法四五条前段、後段、五〇条、四七条本文、一〇条、四八条二項

労役場留置 刑法一八条

刑の執行猶予 懲役刑につき刑法二五条一項

(裁判官 角田進)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!